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書籍紹介(新書)

太平洋のレアアース泥が日本を救う 加藤泰浩

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太平洋のレアアース泥が日本を救う (PHP新書)

南鳥島。一部の人にはマーカス島と言った方が伝わる、日本の中で唯一太平洋プレート上にある島である。滑走路を有し海上自衛隊が管理しており、硫黄島と同じく一般人は立ち入りが出来ない島である。

そんな南鳥島近海にレアアースが海底にあるというニュースが今年の6月に流れた。
南鳥島でレアアース発見 日本は資源大国になれるのか J-CAST
日本が1年間に消費するレアアース(約3万トン)の「約220年分が見込める」らしい。
実はこの発表の約1年前にハワイ沖でレアアースが取れるといったニュースが流れた。
太平洋・ハワイ諸島海底にレアアース堆積土泥:Nature Geoscience 「日本貿易の将来像」 国際資源市場・資源貿易研究 :武上研究室
この2つは実は繋がっていて、同じ人が発見者であり研究している方である事だとほ書籍から知った。(著者が研究者)

レアアースとは大雑把には、軽レアアースと重レアアースと2種類に大分出来る。中国が特に強くに握っているのは重レアアースだ。もう世界が中国に頼っているといっても良い。
そして中国は、レアアースを戦略的に考え、石油同様の資源としてしっかりとした戦略を取っている。レアアースを握る事で、国内に先進技術を持った企業を呼び込み技術を習得する。実に見事な作戦である。
温家宝首相自体が北京地質学院出身の地質学者である事から、中国の力の入れようも分かる。それだけ日本は何も出来ていない。
日本がレアアースを使わないモーターを開発等々のニュースがあるが、
中国産レアアース使わないモーター用磁石 東芝が開発 日本経済新聞
残念ながら出来るように思えて、とてもではないが代替出来るような代物ではないらしい。 
レアアースは化合物として使用される為、使わないとなると何かを犠牲にしてしまう。又、リサイクルでの回収も一度混ざった物を取り出すというのは非常に難しいので、実現性に欠ける。

という状況下の中で、日本を含む太平洋上でレアアースが海底にあるというのは、世界的に見ても非常に価値があるニュースであったようだ。そして最も得をするのはフランスであると。
本書籍においても、世界中からの取材依頼が舞い込んだとある。それだけ世界に大きな影響を与えている。しかしながら、国の援助はおろか経済産業省からはあまり良い対応がされていない模様である。
日本の排他的経済水域内に資源がある。これは非常に大きな事でありつつも、国が動かない理由は対中国以外にはありえないだろう。しかしながら、中国の強気の部分はこの資源戦略にある事は間違いない。

中国の資源戦略や、レアアースについて学びたい人は是非本書籍を読んで欲しい。
日本が排他的経済水域で重レアアースを採掘出来る意味とは何なのか。国際関係にどのような影響を与えるのか。
中国のレアアース戦略とは何なのか。レアアースから紐解く各国の国際戦略が分かる本です。

そして本書籍からは研究者の努力、狙いと共に、日本を憂う気持ちがとても伝わってくる。
是非本事業は成功して欲しい。むしろ投資を個人にも開いてもよいように思える。
尖閣諸島の寄付金同様に今の日本に対してどうにかしたいという思いを持つのは皆共通だ。きっと賛同してくれる人もいるのではないだろうか。

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