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書籍紹介(新書)

織田信長のマネー革命 経済戦争としての戦国時代

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信長の野望が大好きな自分としては、本屋で衝動買いしてしまった本。

信長の野望は各国ほぼ均等な内政力な石高等々ゲームとして出来上がっているが、実際の戦国時代においてはそのような事は無かった。特に経済という面において、港や寺といった評価が低い。

歴史の教科書を見ても戦いの事はあっても、暮らし等々については文化が少し触れてある程度で、何年に何があったとかそういう点が主体だ。

本書籍は戦国時代の織田信長に焦点を当て、経済的側面から彼の取った行動についての論評となる。信長が武力だけで強大な敵を従えていった訳ではない事が分かる。

まず織田信長は他の戦国大名とは下記の点が異なるという。
①仏教寺院を迫害した事
②居城を何度も替え新な城を作る事
③領地よりも港を欲した事

①については、当時の寺社を含めた宗教というのは、私利私欲を貪る団体であった事。領民からの年貢を戦国大名とこれら寺社が取り合っていたのが当時の状況であり、信長はこれを寺社から奪い取った。比叡山の焼き討ちなどもこれに当たり、私利私欲を貪る敵を退治した程度に過ぎないのだろう。

②尾張城、岐阜城、安土城とこれだけ居城を変更したのは信長が最初である。城は比較的平城になっており、著者は巨大な税務署としている。というのも、信長は新たな地域を占領した後の徴収の効率が他大名と大きく違うらしい。これは大きな城を建てる事によって、その地域の支配者が誰かを分からせている模様。秀吉や光秀、勝家にも大きな城を作らせている事からも、支配地域全域でこのような行動を取っていた模様。

③信長は尾張の生まれであり、尾張には津島港がある。織田家は信長の祖父の代からこの津島港の関税により多額の収益を上げていた。上杉謙信の持っていた柏崎と直江津の2つの港の関税収入の総額が年間10万石分という記録が残っており、津島や堺といった港はそれ以上の港規模であった事から、港という存在だけで大きな価値がある事が分かる。
信長は積極的にこれら港を優先的に制圧していった。桶狭間の戦いもまさにこの経済戦争の1つである。今川義元は何故か愚者のイメージがついてしまっているが、東海道一の弓取り、今川仮名目録追加を作るなど非常に優秀な戦国大名である。そのまま上洛をしようとした愚者では無い。あくまで経済的に優位に立つ為に尾張に進軍していた形跡がある。

当時の戦国大名においては、経済戦争が常時行われていた。特に武田信玄は今川、北条と仲が悪くなった辺りから塩や他の戦略物資を手に入れる事が難しくなっている。上杉謙信から敵に塩を送るという事があったような嘘話が出てくるくらい当時から物資の調達というのは死活問題であった。(荷留めという言葉があったくらいよく行われていた模様)
信長と信玄が敵対した段階においては、信玄の物資調達は絶望的となり、鉄砲の弾薬調達が特に厳しかったようだ。信玄の西上の作戦も、浜松城さえ落とせなかった信玄は相当な準備不足であったと論じている。

こうやって戦国時代を経済的側面で見ると非常に面白い。この本は日本における経済の歴史を紐解く1冊である。
是非信長の野望にもこういった戦国時代の経済は是非導入して欲しい。武田と上杉がいつも強すぎだと思うので、こういった荷留めとかの機能があれば、西国Playも面白くなるのになとも思った次第。

 

 

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