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自衛隊海外派遣

ODA削減と自衛隊海外派遣との関係

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わが国のODA予算は年々削減されている。 しかしながら、国際貢献・国際協力という名目において、 果たして予算は削減されている一方なのだろうか。 日本の財政と防衛力の整備(平成22年 財務省)を見ると、 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shin-ampobouei2010/dai6/siryou2.pdf P10 防衛関係費の推移(他の主要な経費との比較) 社会保証費は増大の一歩であるが、経済協力費等に関しては減少。 防衛費はほぼ横ばいとなっている。 これは人件費等の問題もあるが、昨今の防衛に関する環境が一段と厳しさを増している事が背景にあると共に、自衛隊には近年新たな任務が追加された事が背景にある。 直接的な国際貢献である。 P41 自衛隊の海外活動の予算措置 P42 自衛隊の海外活動と我が国の経済協力 を見ると、ODAが削減された分自衛隊の海外への派遣に費用が充当されている事が分かる。 防衛費の削減幅が小さい事と合せると、ODAの削減分をこれらに充当しているのでないだろうか。 つまり日本がより海外への直接協力に切り替わりつつあるのではないかと考える。 おそらくは湾岸戦争時にお金だけ出して世界からあまり評価されなかったという反省なのではないかと思うが、自衛隊が日本の先兵となって国際貢献している事実がある。 日本は海外に対しての支援では変わっていない。 むしろ、協力の仕方が変化し始めていると捉えるべきである。 「PKOの在り方に関する懇談会」中間取りまとめ 平成23年7月4日 http://www.pko.go.jp/PKO_J/info/pdf/20110704.pdf の中に、「国際環境の変化とともに国連PKO自身の在り方も大きく変遷する中で、我が国が国際平和協力により積極的に取り組むことが、グローバル化が進む国際社会における我が国自身の国益確保にとってますます重要になってきた。」とある。 PKOやインド洋の給油支援、イラクの支援、ソマリア沖の海賊対策。協力すればするほど日本の存在意義が上昇している。 これはお金では買えない事だ。そして国連PKOへのより積極的な参加を目指し、国連待機制度(UNSAS:U.N. Stand-by Arrangements System)への登録を行っている。 現在、わが国は、 <1>医療(防疫上の措置を含む。) <2>輸送 <3>保管(備蓄を含む。) <4>通信 <5>建設 <6>機械器具の据付け、検査または修理、の後方支援能力を有する自衛隊の部隊、 および <7>軍事監視要員 <8>司令部要員 のポストに就く要員を提供する用意がある旨を登録している。 現在のソマリア沖の海賊対策においても、日本の果たしている貢献は非常に大きい。 常時艦船2隻と哨戒機2機を派遣している。 特に、哨戒機を2機も派遣しているのは米国以外には日本だけだ。 東日本大震災の救援活動中にも交代要員を派遣した事を考えると、日本としての重要度がいかほどか分かるだろう。 巨視的に見れば各国の治安維持や海上物流の安定化を図ることは世界経済の寄与すること(つまり平和で安全な状態での経済発展を促進すること)に繋がる。 日本の地位向上に多大な影響を残していると言える。 ODAの予算が減少している点に対しては、まず国際協力のあり方が変わったと捉えるべきである。 よって、方法が変わったのであれば削減は当然の事であり、日本の立場が弱くなるといった事には到底ならないと考える。むしろ世界的に日本の評価は高まっていると見るべきである。 又、以下は補足ではあるが、自衛隊は海外の協力の為に作られた組織ではない。 先程の財務省の資料の中には、「専ら海外活動を目的とした装備品や部隊の更なる拡充は非効率」と指摘がある。この指摘は半分正しく半分間違っている。 確かに部隊として人員を海外派遣用に常備する事は非効率である。しかしながら装備品については、日本は島国である事から装備品がガラパゴス化しているのが現状であり、装備品の新規調達・改造は避けられない所である。 特に輸送機の航続距離が短い点はこういった国際協力では致命的であり、民間の輸送機が輸送できる環境下にも無い。この為、C-2やKC-767といった新規調達は必須の事である。 このように遠く国外で活動が出来るような装備を保持していなかったが、活動できるように装備も更新されつつある。 また、ローテーション派遣されたとわだ型補給艦が、海外派遣を前提として設計していなかったため、諸外国の補給艦と比べて著しく小型で使い勝手が悪いことが明らかになり、2004年(平成16年)から諸外国の標準的なサイズの補給艦であるましゅう型補給艦の投入を実現させ、結果的に海上自衛隊の後方支援能力の向上が図れた。 この為に防衛費はあまり削られずにいる。 だが、ODAの果たした役割は非常に大きい事は事実である。 しかしながら、今のグローバル化した世の中においては直接的な協力が求められる世の中になりつつあるのではないだろうか。 つまり、海外への協力においてお金の使い方が変わった。 お金ではなく人と装備を出す事によって、協力をより直接的に行うようになったのだと考える。 大学院の授業のディスカッション投稿に用意した本来の文書。 消化不良だったのでここに記載。 趣味が仕事(?)に生きた瞬間だった。 <参考> 日本の財政と防衛力の整備(平成22年 財務省) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shin-ampobouei2010/dai6/siryou2.pdf 「PKOの在り方に関する懇談会」中間取りまとめ 平成23年7月4日 http://www.pko.go.jp/PKO_J/info/pdf/20110704.pdf イラク自衛隊「戦闘記」 佐藤正久 講談社 2007年

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