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会社分析

サイバーエージェントの2012年9月期の決算

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サイバーエージェントの2012年9月期の決算を読んだ。
Amebaの利益率低下を補うべく SAP事業が頑張っているのが分かる決算だった。

■通期

売上高1,411億円 前年対比118%
営業利益174億円 前年対比121.3%

非常に大きく進展しているのが通期で見ると分かる。
売上高の半分近くを広告代理店事業で稼ぎ、利益をAmebaとSAP事業で稼いでいる。特にSAP事業の進捗が著しい。前年比305%と大きく進捗している。そしてFX事業は堅調で推移。

安定的に収益を産み出す基盤を作りながら、新しい事に挑戦する体制を整える事が出来ている企業である。そして通期で見ると非常に良い決算であると言える。しかし、四半期ごとで見ると様子はかなり異なる。

■第4Q

今までの成長の大きな牽引約であったAmaba事業の利益が半分になり、堅調であったFX事業も縮小している。その中でもSAPの売上高は第3Qと第4Qを比べると約1.5倍になっている。

内訳を見ても、国内も海外も伸びている。SAP業界が軒並み収益を出す事に苦しんでいる中でのサイバーエージェント(実際には子会社だが)の伸びは素晴らしい。
具体的なゲーム名は無いが、原作のあるソーシャルゲーム系が伸びたようだ。
サイバーエージェント本体では無く子会社のようだ。ちなみにサイバーエージェント単体の決算数値を見ると、営業利益ベースで前年対比割れ。 売上高は上がって営業利益が下がっているので、Amebaの利益率低下が直撃している事が分かる。

そして謎なのが販売管理費の部分。2012年9月期の第3Qと第4Qを見比べると、販売関連費が増加している。この販売関連費とは一体何だろうか。こんな項目ってあったっけ?広告費も人件費も既に出ているので、何らかの利益を上げる為の費用とは思われるのだが。

■利益率低下のAmeba

さて、利益額が大幅に減ったAmebaについて見てみよう。

第4Qの売上は6,182百万円 利益は1,187百万円 利益率19.2%
第3Qは売上は6,141百万円 利益は1,582百万円 利益率25.7%
第2Qの売上は6,643百万円 利益は2,382百万円 利益率35.8%
第1Qは売上は6,076百万円 利益は2,335百万円 利益率38.4%
売上は維持しているものの、利益率が大幅に下落している事が分かる。

第1Qと比べると丁度半分だ。決算資料を見るとフィーチャーフォンからスマートフォンへ移行したとあるが、これが原因だろうか。とてもそこまであるとは思えない。

売上高はそう変わらない中で利益率が下がるというのは儲からないビジネスになりつつあると捉えるべきか、投資をしていると考えるべきか非常に悩む所である。

Ameba事業はブラウザ型プラットフォームを導入するという説明資料の中に説明があったが、決算短信の方にも「スマートフォンにおける「Ameba」のプラットフォーム化・オープン化、多数のコミュニティサービス、ソーシャルゲームの開発・運営、広告の販売等に取り組んでまいりました。」とある事から、こういった方面に多額の投資をしている事が原因ではないかとIRから推測されるが、利益率が半分になってしまっているというのはやはり成長が止まったと考えるべきだろう。

ブログのPV等も完全に頭打ち感が出ている。

時期的にはコンプガチャの問題による利益率低下が著しく、お金をかけてかもしくは利益率の低い形で売上を立てたのではないかと考えられる。

■Amebaのプラットフォーム化戦略

ブラウザベースでのプラットフォーム化についても、個人的にはモバゲーGREEとフィーチャーフォン時代と何が違うのかがさっぱりだが、サイバーエージェントとしてはプラットフォームを抑えていきたいという姿勢だろう。そして多数の外部のSAPに参加させて、運営者として収益を出したいのだろう。

ただ、残念ながらモバゲー、GREEが既にあり、PCと同じような環境下のスマートフォンにおいてそのような事が今更出来るのかというと、非常に微妙ではないだろうか。作り手にとってみれば決算資料のようにウェブの方がやりやすい。しかしそれをユーザが求めているのだろうか。

このIRを見る限りだとユーザ視点が無い。ユーザはアプリがいいのか、ウェブでやってもいいのか。この辺りはいくつかのSAPの決算と見比べてみると方向性が違うので面白い。今度まとめてみよう。

■サイバーエージェントの今後

しかし、このまま行くと間違いなくサイバーエージェント全体の来期の営業利益率は低下する。何かが成功しないといけない。

サイバーエージェントのとても良い点は、かならずどこか伸びる所に手を出している事につきる。ただ、どれか当たった後にいつかは曲がり角がやってくる。その曲がり角の時期に他の事業が埋めるというのはなかなか難しい点もある。この点が株価が急降下する要因であり、手を出したくなる要素の1つだ。

投資家はAmebaの次を欲しがっているというか期待している。
Amebaの延命には興味は無い。

更なる飛躍をするのであれば、他の真似ばっかりしているスマホアプリでは無い新しいビジョンを持ったビジネスを展開した方がいいと思うのだけど・・・。
(そういえば新しいスマホアプリの展開部分での収益がIRの中には無かった。儲かっているのか儲かっていないのかが分からない。)

知り合いも多くいる会社なのでこのへんで。

※画像として出しているのは全てサイバーエージェント社の決算資料からです。

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