しばらくの間自分が今最も頭を悩ませている保育園の問題について考えてみる。
第1回目は保育園と幼稚園の違いである。
保育園と幼稚園の違い
保育園と幼稚園の違いは何か。これはもう明確で保育園は子供を預かる場所。
幼稚園は教育をする場所である。そもそもの目的が大きく異なる。
幼稚園は義務教育では無いが、集団行動に慣れさせる為に昔は幼稚園に行かせるという事は以前では普通であった。
保育園 | 幼稚園 | ||
認可 | 認証(東京都独自制度) | ||
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 | |
法令 | 児童福祉法 | 学校教育法 | |
施設種類 | 福祉施設 | 教育施設 | |
目的 | 日々保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育すること | 幼児を保育し、適当な環境を与えてその心身の発育を助長すること | |
認可 | 都道府県又は政令指定市 又は中核市 | 東京都独自制度 | 都道府県 |
指導者 | 全員保育士 | 一部保育士 | 幼稚園教諭 |
人数 | 60人以上 | 最大120人 | 1学級35人以下 |
入園年齢 | 0歳~ ※0歳の枠は必須では無い | 0歳~ ※0歳の枠は必須 | 2歳 |
時間 | 11時間(原則) | 13時間以上 | 4時間(標準) 預かり保育有り 18時まで等 |
基準面積 | 0歳児・1歳児 3.3平米/人 2歳児以上 1.98平米/人 公園等あれば運動場不要 | 0歳児・1歳児 2.5平米/人 2歳児以上 1.98平米/人 公園等あれば運動場不要 | 保育室面積53平米/35人 + 運動場、遊戯室等は別 |
料金 | 安い | 高い | 安い |
申し込み先 | 市区町村 | 施設へ直接 | 公立は市区町村、私立は施設へ直接 |
備考 | 入れない場合有り | 先着順 | 私立は入試 |
表にまとめたが、家庭で子供の保育が出来ない場合のみ預かってくれるのが保育園であって、幼稚園は教育をする場所であると。
これに子供園なるものが追加になるようで、保育と教育を多少でも一緒にしようと国はしているが、要は保育園のキャパが不足しているので空きが出てきている人気の無い幼稚園を活用しましょうという話のようだ。
おおざっぱには保育園は共働き世帯用で、幼稚園は専業主婦家庭用と考えると分かりやすい。
最近では幼稚園は空きがあるものの、保育園の空きは無く保育園に入れない子供まで存在する。
これは行政がしっかりと予測を含めて仕事をしなかった事が問題だ。
少子化と叫ばれつつも、東京都の特別区における出生数は横ばいないしは増加である。
これは何を意味するかというと、都市部への人口集中が続いているという事であり、少子化の影響を特別区は受けないという事だ。
そして共働き世帯が増えるという傾向からも行政が何を事前にすべきであったのかは言うまでも無いだろう。
少子化なのに待機児童が増えるという矛盾はこういった要素からも生じているのが現状である。
保育園と幼稚園の種類
そして保育園は国が認めた認可と認可外(無認可とも良く呼ばれる)とがあり、地方自治体が認める独自の保育園もある。
東京都の場合はいわゆる認証と呼ばれており、よく認可保育園、認証保育園と区別して語られる事が多い。
公立の保育園もあれば、私立の保育園もあり最近ではベネッセや鉄道会社の保育園事業への進出もある。
幼稚園も公立と私立があり、これは小学校でも同じだ。
私立の幼稚園では独自色を出している幼稚園も多く、今でも人気のある幼稚園は定員割れは無い。
そしてよく言われるのは、保育園育ちと幼稚園育ちの違いである。
小学校入学に合わせて両者が出会う事になるが、保育園育ちは授業中に席を立ったり、落ち着きが無いといった事があるとか無いとかよく言われている。
最もしばらくすると両者の違いは無くなってくるようだ。
ただ、大人になった段階においてどう違いが出てくるのかは非常に興味がある。
まだ統計的なデータがあるようで無いようなので、怖い所である。
子供にとっての親の必要性
三歳児神話というのをご存知だろうか。
子供は三歳頃まで母親自身の手元で育てないとその子供に悪い影響があるという考えを指すらしいのだが、これについての論文がいくつか出ている。
詳細はwikiを見てほしいが、文部科学省としては3歳まで母親の手元にという考えのようだ。
たしかに自分に子供がいるとその子供の事を考えると今自らの手元から離れるのは非常に辛い。
特に預ける先が見知らぬ人であり、どのような保育を受けるのか分からない現状については恐怖である。
現在子供を保育園に預ける事が出来ている人はこの恐怖を打ち勝った人達である。
まとめ
保育園と幼稚園は根本から違うが、社会全体が共働きを必要としている以上保育園が必要なのは分かる。
しかし幼稚園で教えるべき教育や家庭で教えるべき教育はしなくてよいのだろうか。
その為には何かが犠牲にならないといけない。
そして今その犠牲になろうとしているのが子供なのか親なのか。
お金を払うのは親側であり、保育園は子供に対してサービスを提供する。
しかし保育園は親と共に教育しますというような言い訳をよくしている。
親自身も自分がサービスを受けるわけでは無いので評価をしずらい部分がある。
最終的には子供を預ける先は保育園の中の保育士だ。
そしてベテランの保育士は無認可や認証では無く認可保育園にいる。
更に認可保育園に入る為には大きな試練が待っている。詳細は次回!
■子育てシリーズ
1.保育園と幼稚園の違い(子育てシリーズ1回目)
2.保活!! 保育園(認可)への入れ方(子育てシリーズ2回目)
3.認可外保育園は認可保育園の20倍の死亡率?認可保育園と認可外保育園(無認可保育園)の違い(子育てシリーズ3回目)
4.何故起きた待機児童問題(子育てシリーズ4回目)
5.ビジネスとしての保育園を考える(子育てシリーズ5回目)
6.3年間抱っこし放題政策から保育の問題を考える(子育てシリーズ6回目)