定点観測しているサイバーエージェントの2013年9月期の第3Qの決算。
営業利益から見ていく。
引き続きAmeba事業が赤字継続。広告宣伝費が大きくかさんでいる事が要因の1つだが、非常に苦しい状況が続いている。
全体的にはインターネット広告事業はあまり変わらず、SAP・その他メディア事業の収益拡大している事で、Amabaの赤字分をカバーする事が出来ている。
□インターネット広告事業
売上は横ばいだが、利益率が低下している。例年の事ではあるので時期的要因とも考えられるが、次のQでも悪いと利益率向上もここまでか。そしてスマートフォンの伸びが前Q対比で大きく低下しており、この点が気になる所である。既にスマートフォン自体は珍しい形でも無く、スマートフォン頼みというのは難しくなるのではないか。タブレットの記載が無いのが気になる点。
□SAP・その他メディア事業
売上が下がったのに利益が増えている。非常に収益性が高い事業になりつつある。収益率は20%超え。特にCygamesが大きく業績に寄与している。
もはやGreeやモバゲーにゲームを出すのでは無く、ネイティブアプリとしてAppleStore等への進出がうまくいっているのであろう。
第2Q、第3Qと大きく進捗している事からも、まぐれでは無くなった。確実に就役を生み出す事業へと飛躍した。
まあ、長く続くかどうかはこれからにかかっているが。
ちなみに自分達の事を、スマホネイティブアプリを出している会社の中の2番手集団の首位と位置付けている点も面白い。
ただ、常に新しいアプリを出して行かないといけないのは非常に苦しい所。
あまりキャラクター展開にまで漕ぎ着けた事も無いので、まだまだ上があるという事か。
□Ameba事業
もはや完全にお荷物と化したAmeba事業。
広告宣伝費を大量に投下しても売上増にほぼ繋がっていないという致命的状況。
一体何の為に広告宣伝費をこれだけ使っているのかと株主ならそりゃあ怒るだろう。
ちなみにスマホアプリの事業もどれもうまくいっている気配はしない。
ガールフレンドくらいか。
これは怖くてまだ起動していないけど、世の中の男子はハマるらしい。
Ameba周りはどうもパットしない状況が続いている。
単に利益を出すだけであれば出来そうだけど、かといって今のように広告宣伝費を出していても売上に繋がっていないのであればさすがに問題。
□まとめ
サイバーエージェントは必ず何か新しい事業を生み出している会社である。
現在のSAP事業についてはまさにその新しい事業になる。
しかしながら、Ameba事業については何故か異様なまでのこだわりを持っているように見える。
ここまで大きな赤字を出してまで広告宣伝費をかける必要があるのか。
既にプラットフォームとしてAmebaを使ってもらうという戦略は決算資料の中にも出てこなくなった。
是非過去の決算説明会で決めた方針についてどうなったのかをまとめて欲しいものだ。
特に広告事業で作ったスマホアプリ群をAmebaに移管してどうなったのか等々株主が気になる点も多いとは思うが。
※サイバーエージェントの2013年9月期第3Q決算資料からそれぞれ引用しています。