GREEも減収減益になりました。
当然ながら予測されていた事とはいえ、コンプガチャ以降ソーシャルゲーム業界においては逆風が吹いている。
特に決算資料を見ている中で出てくるのはスマホへの対応がうまくいっていないという現状である。
これは何故かというのは今後まとめるが、現在のGREEについては売上は微減に対して利益額が大きく低下してしまっているという事だ。
決算概要
減収減益である。特に利益額については前年対比−59%とちょっとやってしまった感が出ている。
エグゼクティブ・サマリーを用意している所はとても良い点だ。
投資家に対してより完結に正しく物語を伝えようとしている。
中身を見ると伸びている所は伸びているが、コストが増えて営業利益が悪化したという事だ。
営業利益
売上はあまり変動が無い状況であった。対してコストが上昇した事が営業利益を圧迫している。
Q毎に営業利益がどんどん減っている事から、この1年ずっとコストがどんどん上がっていく要因があったという事だろう。
コスト
コストについては、売上原価も販管費も共に前年対比で+40%弱程度上昇している。
支払い手数料はクレジットカード等の影響が考えられるが、これもフィーチャーフォンであればキャリアの収納代行でコストが削減出来ていた事が、スマホだと手数料をより払わなければならないというコスト増の要因だ。(費用計上の方法論という視点もあるが)
又、人件費もその他という項目も上がっており、DeNAと違って広告宣伝費の増加も目立つ。
球団は持っていないので、その点のコスト増加は無いが、コストはかなり増大している。
コイン消費量
GREEの中ではいかにコインを消費させるかがマーケットが活性化しているかの指標になる。
コインについてはスマートフォンのアプリでの対応がうまくいっていない。
ネイティブアプリとの戦いで中々うまくいっていないのが現状だ。
又、ウェブでのアプリにおいてはフィーチャーフォンは当然ながら減少だがスマートフォンも伸びない状況になっている。
これはスマートフォンへシフトしている中ではとても問題がある数字だ。
総じてGREEはスマートフォンへ世の中が移り変わると困ってしまう状況になりかねない。(国内は)
ネイティブゲームにおいても国内も同様でコイン消費量が増えていない。
海外については順調に消費が拡大しているが、国内はもはや現状維持がやっとの状況である。
今後の取り組み
GREEは側もスマホではうまく行っていないという事を認識している。
今までの彼等の強みを生かせない戦場なだけに戦いは非常に激しい状況にある。
今までパートナーであった企業は独自にネイティブアプリを出すようになり、状況的には大変厳しい状況になる。
そしてコスト削減についてはあまり出来ないかのような内容である。
※増やさない努力はしますアピールは有り。
まとめ
GREEはソーシャルゲームでなんとか挽回した企業だ。SNSの歴史があるが、業績低迷した所をKDDIに救われて今がある。
フィーチャーフォン時代ではブラウザ主体のゲームを提供する事で人気を集め、TVCM等で世の中に受け入れられていった。
しかし、昨年のコンプガチャの問題から収益性に陰りが見えてきた。そして、スマートフォンへ世の中がシフトした事で、今まで自分達がプラットフォームの立場に立てていたのが、プラットフォームに立てなくなった。
特にガンホーといった昔ながらのオンラインゲームを提供する会社との戦い等、新たなステージへと移りつつある。
その中でこれだけ利益額が低下しているというのは相当な問題である。コンプガチャの騒動から約1年。
ようやく影響から抜け出る所ではあるが、それだけでは無く生き残りをかけた戦いにGREEも立たねばならなくなった。