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書籍紹介(新書)

タクシー王子、東京を往く。日本交通三代目社長の新人ドライバー日誌

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タクシー王子、東京を往く。―日本交通・三代目若社長「新人ドライバー日誌」

この本を読もうと思ったキッカケは、日経ビジネスの
「挫折から立ち直らせてくれたウニ丼 日本交通、川鍋社長が最もつらかった時の食事を語る」
 を読んだ事がキッカケ。どんな人だろうと思った事。

私の職場は泉ガーデンタワー。泉ガーデンタワーの車寄せには常に日本交通の方がいてタクシーが途切れないようにしている。実は日本交通専用だったとはこの本を読んで初めて知った。
そして黒タクシーという存在も普段あまり気にしていなかったけど、素晴らしい存在であると。
そして、タクシー会社がありふれた会社では無く、選ばれる会社になるべきであると。
黒タクシーはたしかに選びたくなる。

この本の著者である 川鍋氏は日本交通の三代目社長である。創業者の祖父と二代目の父の仕事を受け継いだ。大抵事業においては、世代継承というのは非常に難しいと言われているが、彼はアメリカのMBAを取って、マッキンゼーで敗北して、日本交通でも当初は失敗してから事業を引き継ぎ、経営の再建にこぎつけている。
バブル期の負債から伴う赤字経営からの脱却等々の手腕を発揮した後、実際の事業を1ヶ月間経験をしたいとの事で、タクシー乗務を行った。
その時の体験談がこの本である。

といっても中身自体は本当に乗務した際の事が書かれている事が中心であって、そこからの気が付き、タクシー業界の今後や、力を入れるべき点等々が散らばめられている。
泉ガーデンタワーから何度もお客さんを取っているようなので、私も乗っていたかもしれない。

そして現場においても、経営学においても、『徳』 という言葉が度々出てきている。
これは しっかりコツコツ真面目にやる事こそ後々帰ってくると。その場だけ取り繕っても因果は回ってやってくる。

一見すると単に創業者の孫が実地で仕事して学んだよという本だが、MBA取っただけでは何も出来ない事を示してくれている。(そりゃそうだ)
現場で仕事が出来た上で、更に活用が出来る手段であると改めて感じた。
学者じゃないんだからと。この辺りは改めて気をつけないといけない点だなと。
そして成功のノウハウでは無く、ビジネスにおける心構えを知る事が出来た。

著者である川鍋氏は現在は中曽根ファミリーの一員になっているようだ。
中曽根ファミリー日記
決して驕らず、頑張ってビジネスを成功(=生き残る)させて欲しい。
三代目とはいえ、この人はそれなりの修羅場をくぐっている。事業の継承を受ける人は受ける人で、相当厳しい自己鍛錬が必要である。

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