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会社分析

株式会社サイバーエージェントの2013年9月期の第1Qの決算

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サイバーエージェントの2013年9月期の第1Qの決算が出ている。

 

当該期にはトレンダーズの上場後の売却やAmebaの広告等もあり注目していたが、Ameba事業全体が赤字に転落した事、本来のAmeba事業の利益率低下が発生しているといった事が発生している。

収穫逓増モデルであるはずのAmeba事業が何故利益率低下になってしまっているのか。しかし、他の事業では利益が大きく出ている分野もある。

この利益を多数の方面に求める事が出来ているのがサイバーエージェント社の強みだ。

Ameba事業の衰退or発展?

2011年9月期から2012年9月期の第2Qまで営業利益を稼ぐ中心であったAmeba事業全体が赤字に転落している。

表(事業別営業利益の推移)

 2013年9月期第1Qの決算資料から

Ameba事業の赤字化要因は3つ。

1.既存Ameba事業の減収が止まらない。(9.8億円 前年比41.97%)
2.広告事業からのスマートフォンアプリ等の事業の譲渡(-11.28億円)
3.PR費用(-29.54億円)

1の既存Ameba事業の営業利益縮小、営業利益率の低下が止まらない。

表(Ameba事業利益率低下)
 
2013年9月期第1Qの決算資料から集計して算出

要因は売上合計ではそこまで変わらないのに、利益額が減っているという点だ。つまりコストをかけてお金を稼ぐようになってしまったという事だ。むろん人件費等の投資もあるのだろうが、利益率低下に歯止めがかからないというのは由々しき自体だ。
利益率は2011年度の40%台をピークに減少に転じている。

そして2の広告事業からのスマートフォンアプリ等の事業の譲渡。

どうにもこうにも成功しているという話が伝わって来ない。決算資料を見ても第1Qでは11億円の赤字だ。

AmebaのPR広告自体も多額のお金をかけたのにもかかわらず利益はむしろ減っている。未来への投資という事らしいが、はたしてどこまで効果があるかは次のQに分かる。
むしろ1の既存Ameba事業と2の新規事業を合わせても営業赤字になるという点が衝撃だ。

3のPR費用については、Ameba=ブログじゃないという点を伝えたかったとある。
Amebaピグとか色々あったのだが・・・・。
今一ぶれている気がしてならない。

投資事業

決算資料には詳細情報は書いていない。単に決算短信

④投資育成事業
保有株式の売却等により、売上高は889百万円(前年同期比1,566.3%(株)サイバーエージェント(4751) 平成25年9月期 第1四半期決算短信2増)、営業損益は628百万円の利益計上(前年同期間69百万円の損失計上)となりました。

とあるだけだ。サイバーエージェントの発表だけでは良く分からないが、トレンダーズのIRにサイバーエージェントがトレンダーズ株式の113,500株を売却した事が記されている。(恐らく4000円弱/1株で売却)

トレンダーズ以外にも何か売却したとも考えらえれる。何だろう。
しかし、トレンダーズ1社だけで相当儲ける事が出来ている。

Cygemesの一部株式・FX事業の売却と特別損失

本決算にはFX事業の売却による影響は無いが、Cygemesの売却は特別利益として計上されている。それと特別損失も出ている。

(固定資産に係る重要な減損損失)
「SAP・その他メディア」、「Ameba関連」、「インターネット広告」セグメントにおいて、一部サービスの収益性の低下及び事業再編に伴うサービスの廃止等により当初想定していた収益が見込めなくなったため、減損損失として特別損失に計上しました。なお、当第1四半期連結累計期間における当該減損損失の計上額は、下表のとおりであります。

SAP・その他メディア 1,015百万円
Ameba関連 33百万円
インターネット広告 7百万円
合計 1,055百万円

一体このSAP事業の特別損失は一体何なのだろうか。過去の投資分という事も考えられるが、詳細は不明。

FX事業の売却はサイバーエージェントとしては売却益を次の手に使えるという点は非常に良いと考えられる。これだけの規模にまで成長させる事が出来た手腕はさすがという点だ。

総括

やっぱりサイバーエージェントは投資会社なのでは無いかと思う今日この頃。トレンダーズの売却といったベンチャーキャピタル事業、サイバーエージェントFXといった黒字事業の売却等々。(年間10億円弱程度営業利益を稼ぐ会社を200億円で売却は良い)
常に新規のビジネスを行い、着実に成果に結びつけている。
Amebaが主体とIRではまだ唱えられている点は大丈夫かな?と思いつつも、全社的には分散がしっかりと出来ており、今後も成長が続いていくに違いない。

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