インターネット広告代理店達よ。諸君らの存在意義が問われる時代がやって来た。
いよいよ電通が本格的にインターネット広告へやってくるのだ。
今までの電通はオプトと組んでいたが提携を解消した。そして明らかに戦略的にインターネット広告分野を狙い始めた。
HPにあるコンセプト。
- 今までのインターネット広告(SEM、ディスプレイ広告等)の運用手法に限界を感じていないか
- 効率を追求するあまり、事業が先細りに陥っていないか
- テクノロジーを使うこと自体が目的化してはいないか
- クリエーティブは生活者の琴線に触れ、競合他社と差別化されているか
- マス広告とデジタル広告は適切に連携できているか
- ブランディングとダイレクト・レスポンスのバランスは適切か
- 個別手法毎の効率管理を越えて、全体最適化を実現できているか
- 広告活動のROIは、正しく測れているか
耳が痛い広告代理店やクライアントは多いのではないだろうか。特にテクノロジーを使う事だけに主眼を置いてしまうパターンはよくある事。まあ、お金あるからこの広告出したいとか無謀な事してるのと同じか。
HPを見るとまさにデータを使ったインターネット広告をばりばりやる事が伝わってくる。お金があるクライアントを見つける事が出来ればさくっと移転しそうな気がする。ここまで明確に、広告代理店として求められている内容をストレートに出す会社があっただろうか。
こんな図なんかを見ると素晴らしいとも見えてくる。クライアントから見ると素晴らしい。(でもお高いんでしょう?)
つまり単純な1つ1つの広告のレポートだけを出しているような広告代理店は死ぬ時がやってきたのだ。
今回の電通の新会社はネクステッジ電通という名称だ。参画者の中には元リクルートの方も入っているから、これは戦略的に本腰を入れてきた事に他ならない。
インターネット広告は発展を続け、TVや新聞、ラジオ、紙といった広告は隅へ追いやられるであろう。電通としても既存の広告とインターネット広告とを分析も含めてうまく組み合わせて実績を出す必要が出てきたという事だ。
既にアドテクノロジーは揃った。しかし、それをどう使うかという点については広告代理店側の知の集約は非常に厳しい物があるのが現状である。広告主側もアドテクノロジー周りでの学びは必要であろう。だが、第一に広告代理店の人員こそがこの新しいアドテクノロジー周りをいかに広告主側へメリットを持って伝え、運用でも成果を出すかを考えてるべきである。
今回の電通の新しいインターネットを中心とした代理店は、まさにこの今のインターネット広告代理店がうまく機能の拡充が出来ていない分野を中心とした考えであり、多くの多額のコストを使える広告主からすると魅力的に映る。広告代理店は自らの存在価値を付加価値を付けてアピールせねばならない時代になったのだ。
特に影響を受けるのは、単にリスティング広告を任せられている広告代理店だろう。彼ら広告代理店も独自の違いを見せる事が出来ないと、大手クライアントの考えによっては移る事になる。
(アイレップとかサイバーエージェント、オプト、セプテーニ等々)
最も、クライアント側も勉強し努力をし続ける必要がある。残念ながらこの努力をし続ける事が出来ないクライアントも多い。特にテール部分に該当するクライアントにとってはインターネット広告はそこまで気にしていないであろう。
この電通の会社がうまくいくかいかないかはどうでもいいが、どちらにせよ新しい時代が始まるのは事実であろう。アドテクノロジーがついに広告代理店の仕組み自体も変える世の中になる。分析が出来ない広告代理店は死ぬ運命にある。もちろんクライアントもだが。